NISSHOKU PRIDE 私たちにできること
研究開発
創業当時は、戦後の復興や国土開発のため、のり面保護工には急速緑化による土砂の流出防止が重視されてきました。時代の移り変わりと共にその内容は変化し、周辺環境との調和を考える工法や現地の植生を復元しようとする工法(自然侵入促進工・マザーソイル工法)、国土強靭化に則した工法(キョウジンガー)や労働力人口の減少に伴う省力化・省人化に対応した工法(イジゲンシート)などを発売してきました。
社会により良い製品や工法をお届けするためには、入念な基礎試験やフィールド試験が欠かせません。そのため、当社では研究圃場にて人工降雨試験機や耐流速試験機、試験用のり面などを用いた様々な試験を繰り返し、性能や安全性の評価を確認しています。ここで得られた知見や実際のフィールドを使用した試験施工を通じて、製品や工法の完成へと繋げています。
社会に貢献する製品や工法の開発には、持続的な技術開発が必要です。世の中の課題や緑化への要望が多様化する中、これからも分野を横断した様々なパートナーと一緒に技術開発を進め、社会に貢献できる製品・工法の開発を進めていきます。
技術の特長
日本植生の技術
現地で発生する土壌をレンガ状に成型した「植生盤」は、戦後の荒廃した山林の復旧や社運をかけた秋田県八郎潟干拓地の堤防緑化事業で大きな成果をあげました。その後、技術開発が進み、緑化製品の工場生産が可能になり、「ハリシバエース」(1973年)や「ハリシバカンガルー」(1980年)など、様々な製品を発売し続けています。近年では国土強靱化に貢献する「キョウジンガー」(2016年)や省力化・省人化に向けた「イジゲンシート」(2023年)を発売いたしました。
では、なぜのり面に植物を生やすのでしょうか? 土が剥き出しになったのり面は、風雨や凍結により侵食を受け、土砂災害の要因の一つになります。植物は成長すると葉や根がのり面を覆い高い侵食防止効果を得ることができます。さらに景観性も良く、光合成により大気中から吸収した二酸化炭素を炭素の形で蓄積する効果もあります。
のり面に植物を生やすのは簡単な様で、意外と奥が深いものです。植物が良く生育するために、緑化製品には、耐侵食性能や保温機能、保水機能をはじめとする様々な機能が求められます。当社では、豊富な試験設備と緑化技術開発専用の圃場を通じて特長的な技術を開発してきました。
夜露程度の水分で土壌に張りつき土壌や種子が流れるのを防ぐ「薄綿」や、長期にわたり安定した生育基盤を形成する「モルタル袋」、強酸性やアルカリ性土壌でも植物を生育できるようにする「植物生育促進剤」、泥水の発生を防ぎ、植物の成長を助ける「土壌団粒化剤」、そして、バイオマスを活用した「機能炭」は、東京オリンピック関連施設の水質浄化にも採用されました。
当社が得意なのは、のり面緑化製品だけではありません。のり面を保全する工法(「ソイルクリート工法」(1977年)、「セパレートショット工法」(2003年)、「マザーソイル工法」(2002年))や、流域治水や公園・緑地用の工法(「グリットシーバー」(2001年)、「キョーリョッカー21」(2003年)、「タフタフパーク」(2008年)、獣害対策工法(「アニマルガード」(2009年)、「イノセイバー」(2015年))、落石対策工法もあります。
「何でもある」が日本植生の強み。お困りごとがありましたら、私たち日本植生に是非お声がけ下さい。
ご提案・サービス
日本植生の提案・サービス
当社は各地に営業所を設け、お客様からの要望にいち早く対応できる体制を敷いております。のり面緑化製品やのり面保全工法では、実際に現地へ赴き様々な現場条件を確認することで最適な対策方法をご提案できると考えています。
のり面の緑化を検討されている場合、周辺環境の確認や重要事項(例えば、種子配合の指定はあるか、外来種子の使用が可能かなど)のヒアリング、基本情報である土壌硬度や法面勾配の測定、土質の調査を行っています。また、土壌pHを含む様々な詳細分析を行うため、現地の土壌サンプルを自社の専用研究室に送り、その分析結果を踏まえ、現場に適した製品のご提案を行っています。施工後も安心をお届けするために、現場に赴き順調に緑化が進んでいるか確認するための追跡調査を実施しています。少しでも多くの現場を追跡し、全国から蓄積された情報を共有する他、事例集などにまとめ、課題解決や新たなご提案に繋げています。
のり面保護工として構造物(ソイルクリート工など)を検討される場合も同様に、現場を踏査し、図面や写真だけでは判定の出来ない現場状況を確認させていただいています。安定計算に基づいた工種の検討、使用機材の搬入や設置条件なども踏まえ、現場に合った工法をご提案いたします。
当社では、これまでに全国で様々なお問合せをいただいてきました。それらにお応えするため、営業・技術・設計・工事・研究室など様々な部門が連携し、課題解決を図ってまいりました。今、皆さまの抱えている課題を解決するために、当社が創業より蓄積してきた経験やノウハウをご活用いただけると幸いです。そして、その経験を糧とし、さらに新たな製品・工法の開発につなげ、社会貢献を行ってまいります。
広報活動
広報活動を推進します。
当社の事業活動は、のり面緑化製品の製造や販売だけにとどまりません。その事業活動を通じて安全・安心な生活を守り、社会に貢献するという使命があります。その使命のため、全国各地で防災技術や緑化技術に関する広報活動を行っています。その活動は多岐にわたり、「国土環境緑化協会連合会」(通称:環緑協。「国土環境緑化協会」「簡易吹付法枠協会」「マザーソイル協会」の3協会から構成)では、大学研究者をアドバイザーに迎え、毎年全国各地の約10会場で技術講習会を開催しています。この講習会では、アドバイザーや有識者による講演のほか、緑化技術や防災技術の動向、製品・工法の技術情報を発信しています。土木学会のCPDプログラムにも認定いただいている技術講習会には毎回、官公庁や建設コンサルタント会社等から100名ほどの技術担当者様にご参加いただいています。
近年は、全国各地の官公庁や建設コンサルタント会社様から勉強会への講師派遣の依頼が増えています。このほか、のり面緑化工法やのり面保全工法、落石対策工法、流域治水や公園・緑地工法などの勉強会の開催も随時実施しています。
技術講習会への参加や、勉強会開催のご要望がありましたら、お近くの営業所へお問合せ下さい。
当社を身近に感じていただけるよう、地方整備局の主催する建設フェア、各種展示会へも多数出展していますので、近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。